母の日の由来と国ごとの違いとは?オーストラリアでは菊を贈る?

ゴールデンウィークが終わりごろにあるイベントといえば、母の日ですよね。

4月に入ると毎年花屋さんやデパートでは、贈り物特集のパンフレットも置かれます。パラパラとパンフレットをめくってプレゼントを考える人もいるでしょう。

でも、毎年の恒例行事として忘れずにいるけれど、母の日の由来についてはよく知らない、という人も多いかもしれません。

考えてみると、母の日とは少し変わったイベントですよね。祝日でもなく、毎年日にちも変わります。年によっては1週間くらいのズレが生じることもあります。「今年の母の日はいつだっけ?」という人も多いのではないでしょうか。

なのに、しっかりと定着していますよね。

この記事では、そもそも母の日とはどんな日なのか、その由来と国ごとの違いを紹介します。意外なことに、国ごとにその祝い方も違うんですよ。

ルールを重んじるイベントというより、お母さんや家族みんなが楽しめる日にする参考にしてみてくださいね。

1章 起源

毎年の恒例行事「母の日」ですが、その意味や由来をご存知でしょうか。始まりはアメリカです。

1861~1865年、アメリカでは南北戦争が行われて、多数の犠牲者が出ていました。そんな傷を負った人々を、敵味方の区別なく手当てした女性がいました。彼女の名はアン・ジャービス。

アンはウエストヴァージニア州出身。医療水準の低い地域で生まれ育った彼女は、医療・衛生環境の整備に関心を寄せました。そして、「Mothers Day Work Club」というボランティア団体を結成。地域において、医療を必要とする人々に適切な処置を届ける活動を展開します。

アンの活動に啓蒙された女性活動家のジュリア・ウォード・ハウは、母として、今後戦争に夫や子どもを送ることを拒否しようという提言をします。これが1870年の「母の日宣言」でした。母の日の起源はここにあります。

ただし、当時、この「母の日宣言」が国民に定着することはありませんでした。

そのアンは1905年にこの世を去ります。するとその娘アンナは1907年5月12日、亡き母を想い、教会で母を偲ぶ会を開きます。この際、アンナは参加者に母が好きだった白いカーネーションを配りました。

その後、亡くなったお母さんには白いカーネーション、健在のお母さんには赤いカーネーションを贈るようになりました。

ここから、現代に伝わる母の日のイベントが徐々に広まっていきます。1914年、アメリカ政府は5月の第2日曜日を「母の日」として制定しました。

また、アンナが母親に贈ったカーネーションの色は白でした。このことから、亡きお母さんには白いカーネーションを贈るのが一般的となりました。

その後、亡きお母さんには白いカーネーション、健在のお母さんには赤いカーネーションを贈るようになりました。ただし、現在では色による使い分けは薄らぎつつあるようです。

2章 日本の母の日

2-1、定着したのは戦後

日本の「母の日」の始まりは、大正時代の終わり頃、日本キリスト教婦人矯風会が提唱したことが最初のきっかけといわれています。

1931年に結成された大日本連合婦人会が、香淳皇后の誕生日である3月6日を「母の日」とする提言を行います。ただし、この時点では普及しませんでした。

さらに時を経て、1937年5月8日、第1回「森永母の日大会」が開かれ、徐々に「母の日」というイベントが定着するようになっていきました。

5月の第2日曜日が母の日と正式に制定されたのは1947年。本格的に広がり始めたのは1949年頃からです。

2-2、母の日のプレゼント商戦

今では母の日といえば子どもから母親に、日頃の感謝の気持ちを込めてカーネーションやプレゼントを贈るというのが習慣となっていますよね。

ちなみに、母の日のプレゼント商戦で動く金額の合計は、なんとクリスマスを超えるといわれています。それだけ感謝の気持ちが大きいということなのでしょうね。

確かに、毎年6月にやってくる「父の日」に比べても、「母の日」というのは、存在感が大きいような印象をもっている人も多いのではないでしょうか。

3章 国ごとの違い

アメリカで始まった「母の日」は、国によって日にちや贈るものに違いがあります。

イギリス

イギリスの母の日は、イースターの2週間前の日曜日と定められています。

ではこのイースターとは何月何日なの?と思いますよね。イースターは、「春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日」です。つまり、「春分の日のあとの最初の満月の2週間前の日曜日」

そのため、特定の日付ではありません。

日本の母の日も覚えにくいですが、イギリスの母の日よりはだいぶわかりやすいですね。

フランス

5月の最後の日曜日が母の日になっています。母の日には、お母さんたちのお祝いの日、という意味があるので、家族みんなが集まって食事をしたり、お茶したりするというのが、一般的な過ごし方です。

イタリア

お母さんへの愛がとても強いのがイタリア。お母さんは家族の中心であり、愛すべき存在です。

イタリアの母の日は、日本と同じく5月の第2日曜日。また、お祝いの習慣もとてもよく似ていて、カーネーションやバラといった生花、メッセージカード、プレゼントなど贈って、日頃の感謝の気持ちを表す日とされています。

オーストラリア

母の日は日本と同じく5月の第2日曜日です。ただし、定番の花がカーネーションではなくなんと、菊なのです。菊は英語で「chrysanthemum」と言います。略すと「mum=マム」となることから、母の日には菊を贈るというわけなのです。

日本で菊というと、葬儀用の花というイメージを持っている人は多いはず。そのイメージからすると、母の日に菊を贈るなんて、ちょっと不思議ですよね。

ハンガリー

ハンガリーでは「母の日」は「女性の日」という認識で、お母さんだけではなく、子供からおばあちゃんまで、女性が花やプレゼントをもらえる日になっています。

エジプト

エジプトでは、世界の中でも一足早く3月21日に母の日がやってきます。女性は常にスカーフを巻くという習慣のあるエジプトですが、母の日には、カラフルなスカーフをプレゼントしてお祝いをします。

韓国

5月8日が母の日です。ただし、韓国ではこの日は「オボイナル」と呼ばれ、母の日だけではなく父の日も兼ねています。プレゼントもちょっと大きく派手なカーネーションのアレンジが定番。

さらに、現金や健康グッズなどをプレゼントします。親思いの人が多いという韓国らしいプレゼントですよね。

タイ

タイの母の日は8月12日の真夏です。これは王妃の誕生日にあたります。

また、祝い方も日本とはかなり違うんですよ。王妃を象徴するカラーが「青」なため、母の日のシンボルカラーは水色。水色の洋服を着てお祝いするという習慣があります。

一般的なお母さんを祝福する日というより、国民の母としての王妃を祝福するという意味合いも強そうですね。タイはお母さんをとても大切にする国のひとつでもあり、遠くは慣れて暮らしていても、母の日には実家に帰るという人が多いそうです。

4章 最後に

毎年、母の日はなんとなく贈り物をしていたけれど、由来や、他の国の習慣を知ると、また違った過ごし方ができるのではないでしょうか。

今年はちょっと変わった母の日にしてみるのも新鮮な演出で面白いかもしれません。感謝の気持ちを伝えることができれば、どんな方法でも構わないのです。気持ちを言葉にするだけでも、お母さんは喜びますよ。

母の日は、1年の中でもいちばんお母さんの笑顔が輝く1日にしたいものですね。

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