桃の節句 由来と行事食を知って風情豊かに祝おう 

女性は子どものころ、ひな祭りを楽しみにしていた思い出ってありますよね。

また、女の子のお子さんがいるなら、家族みんなでひな人形を飾っている家庭も多いでしょう。

日本には五節句というお祝いがあり、ひな祭りとは、そのうちのひとつである「桃の節句」をさしています。

桃の節句は女の子の節句ともいわれ、ひな人形を飾り、女児の健やかな成長を祈るお祝いです。

逆に、男の子のお祝いとされるのは「端午の節句」ですね。

日本には昔から様々な行事や祝い事があり、中には廃れてしまったものもあります。一方、桃の節句は今でもしっかりと根付いていますね。

でも、何となくひな人形を飾っているだけ、という人も多いのではないでしょうか?
この記事では、意外と知られていない桃の節句の由来や歴史についてまとめています。

何気なくお祝いするよりも、その由来などが分かったほうがより感慨深いですよね。
ぜひ、日本の伝統を感じるひな祭りにしてみてください。

桃の節句の由来

ルーツは中国の上巳節(じょうしせつ)

桃の節句は、古代中国の魏の国(220~265年)で行われていた行事、上巳節に由来します。そのため、桃の節句は別名、「上巳の節句」とも呼ばれているのです。

上巳とは、3月上旬の巳(み)の日をさしています。巳とは、縁起が良いものとされ、金運を象徴するともいわれています。

古来中国にあった陰陽思想では、奇数を縁起のよい数字、偶数を縁起の悪い数字としてきました。そのため、奇数が並ぶ3月3日や5月5日など、奇数が並ぶ日にお祓いやお祝いを行うのが一般的でした。

この上巳の日を3月3日とし、1年の節目の節句に川で身を清め宴会をするという風習がありました。

日本における桃の節句

この中国の上巳節が日本に伝わったのは平安時代とされています。

当時の貴族社会では、「雛遊び(ひいなあそび)」という行事がありました。これが上巳節と結びつき、流し雛という風習に変化したといわれています。

流し雛とは、自分の代わりとなる藁や紙で作った人形を川や海に流し、人形を身代わりにして身を清めるというもの。

しかし、この流し雛は次第に豪華な人形になっていきます。すると、「流すのがもったいない」という声が出てくるようになりました。

そして、人形を流すのではなく飾るようになったといわれています。これが現在のひな人形を飾る習慣の元になったというわけです。

桃の節句が徐々に定着することになったのは室町時代のこと。このころになると流し雛ではなく豪華なお雛様を飾るようになりました。

江戸時代になると、幕府が正式に3月3日を「桃の節句」と制定しました。
御所では盛大なひな祭りが行われ、それを契機に武家社会や一般市民にも広がっていきます。

その後、明治時代にいったん廃止されます。しかし戦後、人々の声におされて復活しました。

ちなみに、節句は「節供」と記すこともあります。

なぜ女の子のお祭りになったの?

これは人形遊びが女の子の遊びだったことに由来するとされています。

江戸時代になると、この人形遊び「節句の儀式」が結びつき、天正時代(1573年~1593年)以降になると「ひな祭り」として広がっていったと考えられています。

また、武家の女性が嫁入りの際に持っていく道具としても定着していきました。花嫁の実家から贈られるのが通例で、そのため、人形の絢爛さが重視されるようになっていったのです。

現在では女の子が生まれてから初めて「桃の節句」を迎え、お祝いする日を「初節句」といいます。

なぜひな人形を飾るの?

前述したように、流し雛を川に流さず飾るようになったことが、ひな人形を飾る習慣に変わっていきました。

流し雛を飾るようになったのは室町時代とされています。ただし、当時は宮中でのお祝いのために飾っており、一般庶民の間では定着しませんでした。

一般庶民に広がったのは江戸時代とされています。その後、ひな人形は桃の節句の象徴となっていきました。

ひな人形を出す時期としまう期間

ひな人形を飾るのは立春(1月前半)以降から2月の中旬が一般的とされています。

遅くとも3月3日の1週間前までには飾りたいところ。

そして、出しておくのは3月6日ごろまでとされています。3月中旬までにしまうのが
マナーでしょう。

地域によっては、3月3日を過ぎてからひな人形を片付けると、婚期が遅くなってしまうと言われている地域もあるので、住んでいるところの風習に倣うといいですね。

なぜ桃の花を飾るの?

桃の花を飾る理由は、桃に邪気を祓う聖なる力があるとされていたことにあります。

中国では2500年前にはすでに桃の栽培がされていました。邪気を払い、長寿をもたらすといわれ、とても大切に扱われていました。
また、桃の葉は皮膚病に効くとされ、実用的な利用法も見出されていたのです。

その桃の花が日本に伝わったのは、弥生時代以前とされています。桃の花は、かなり昔から日本で愛されてきたのですね。

桃の花はちょうど3月上旬が見頃です。可憐で縁起のよいその花は、桃の節句を祝うのに相応しいとされるようになりました。これが、上巳の節句が桃の節句と呼ばれる所以でもあります。

ただし、桃の花と一緒に菜の花が飾られていることもよくあります。
これは、菜の花と桃の花が見ごろとなる時期が同じで、また菜の花も春を代表する花だからです。

行事食

桃の節句はひな人形を飾るだけではありません。実は行事食が豊富なお祝いでもあるんですよ。ご家庭で、お子さんと一緒に作ってみてもいいですね。

桃花酒

平安時代には精酒にたくさんの桃の花を浮かべる、桃花酒(とうかしゅ)というお酒がよく飲まれていました。

見た目も美しく、邪気を払うとされた桃の花びらを飲むことはとても粋ですね。アルコール類は大人しか飲めませんが、子どもはジュースなどに浮かべて雰囲気を味わうだけでもいいですよ。

甘酒・白酒

桃の節句でよく飲まれるのが甘酒です。甘酒はアルコール含有がわずかなため、ソフトドリンクに分類されるものが多いです。

一方、白酒も桃の節句で飲まれます。
これは蒸したもち米にみりん焼酎、米麹などを加えたものを臼(うす)で引き下ろしたお酒のこと。

アルコール度数は約9%、糖質が約45%と高いので、かなり甘口のお酒です。平安時代に親しまれた桃花酒が徐々に変化し、江戸時代には白酒に変わったとされています。

白酒より安価な甘酒を、白酒の代用品として桃の節句で供えられるケースもあります。

雛あられ

雛あられは、平安時代の「雛遊び」に由来するとされています。雛遊びをする際、その人形をもって外に遊びに行くことがありました。その外出時に持って行ったのが雛あられだったそうです。

雛あられはピンク、緑、黄色、白の4色で、これは四季を表現した色とされています。女児の1年間の健康を願う気持ちが込められているのです。

菱餅

下から緑、白、ピンクの三段重ねになっているお餅です。雛段の左右に飾られていることも多いですね。

この色にはそれぞれ意味があるとされ、緑には「健康」、白には「洗浄」、ピンクには「魔除け」を表しているとされています。

しかし、諸説あり、緑は「大地」、ピンクは「桃の花」を表しているという説もあるんですよ。

はまぐりのお吸い物

はまぐりも桃の節句の定番のお祝いメニューですよね。

なぜはまぐりかというと、はまぐりはきれいに対になっていないとぴったり合いません。そのため、女児が生涯一人の人と仲睦まじく添い遂げることを願う意味が込められているのです。

ちらし寿司

近年はちらし寿司を食べてお祝いする家庭も多いようですね。

ちらし寿司時代は、昔から桃の節句で食べられてきたものではありません。
でも、縁起の良い食材が入っています。

例えば、錦糸卵には「金銀財宝に恵まれるように」、という願いが込められています。そのほかにも、長寿を象徴する海老や、先見の明が得られるとされるレンコンなど、縁起の良い食材がふんだんに使われているため、お祝いによいとされています。

最後に

桃の節句についてまとめました。参考になりましたか?

ひな人形や桃の花を飾るのにもしっかりと意味があることを知れば、祝う気持ちもより深くなりますよね。

また、ひな人形を家族みんなで飾り付けるのもいいですね。桃の節句やひな人形の由来を子どもに伝えるだけではなく、家族の絆がより一層深まるイベントとなるでしょう。

家族みんなで楽しい桃の節句にしてくださいね。

提供・はな物語

こちらの記事は、プリザーブドフラワー専門店・はな物語の提供でお送りしました。

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桃の節句に関する情報集めの一助になれば幸いです。

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