長崎県佐世保市 ヒマワリの種育て福島復興支援 | 花と言葉の贈り物 はな物語

長崎県佐世保市 ヒマワリの種育て福島復興支援

ひまわり種の採取

 「佐世保でヒマワリを育てて福島を元気にしよう」。佐世保市万徳町の市立清水中(鴨川純一郎校長、341人)の生徒たちが、東日本大震災で被災した福島県の復興支援活動に取り組んでいる。その様子や思いを紹介する。

 9月下旬、校門の横に並ぶ花壇には、生徒たちの身長を超すほどに成長したヒマワリが並んでいた。どれも花びらは散り、重たそうにこうべを垂れている。お世辞にもきれいな光景とは言いがたいが、3年の杉本夕季さん(15)と松本七海さん(15)は「もうすぐ種が取れるね」とうれしそうに眺めていた。

 同校が取り組む「福島ひまわり里親プロジェクト」。福島と全国の絆づくりや震災の風化防止などを目的に、2011年5月に福島県内の若手経営者が中心となって立ち上げた。参加者は、同事務局からヒマワリの種を購入し、育て、採取した種を送り返す。その後、種は福島県内の地域や家庭に無料配布され、育てられる。最後に採取した種から油を搾り取り、バスの燃料などとして使う仕組みで、環境にも優しい。購入先への種の梱包(こんぽう)・送付作業や油の搾り取り作業などは、震災後に仕事が激減した知的障害者向け作業所で行われており、雇用確保にもつながっている。

 ボランティア精神などを育成するJRC(青少年赤十字)活動に力を入れる同校が、偶然この活動を知り、この夏にプロジェクトに参加。購入した500粒の種は、校門横の花壇や中庭にまいたほか、地域住民らに配布した。同校は、有志を集めて組織したJRC委員会を中心に、種まきや日々の水やりをしてきた。

 杉本さんと松本さんもJRC委員会のメンバー。東日本大震災が発生した11年は小学生だった。支援はしたいが、何ができるか分からず、3年がたった。プロジェクトを知り「遠い佐世保でも、できることがあるんだとうれしくなった」と松本さんは言う。ヒマワリを育てるだけでなく、福島の現状についてあらためて学び、多くの人に福島へ関心を持ってもらおうと、校内新聞の製作にも取り組んでいる。事務局を通じて、応援メッセージを福島のラジオで放送してもらう機会もあった。

 杉本さんは「ヒマワリの成長を見ていたら、毎日学校に来るのが楽しみになっていた。次はこの種が福島で花を咲かせて、誰かを笑顔にしてくれるはず。福島頑張れ、応援しているよと伝えたい」。種の採取はもうすぐだ。佐世保の子どもたちの思いとともに、届けられる。

出典:長崎新聞

花が咲けば種が取れる。
花の力がこんなところでも発揮されているということが、本当にすごいなぁと思います。

種が取れて、油になることも大事なことですが、花を育てながら福島の今を思うことが一番の大切なことのように感じました。

前に進んでいる福島はすでに被災地ではないのかもしれません。復興は道半ばであることは間違いありませんが、そこには日々の生活があるわけですから、ずっと前進しているんですよね。

被災地復興支援っていうと自分に何ができるのかとかいろいろと考えてしまいます。でも、困っている人がいたら手を差し伸べるという日常がどんどんつながって、より良い社会になってまわりまわってお互いの幸せにつながるんじゃないかなと、ひまわりのリレーを知って感じました。

 

記事カテゴリー コラム|花で季節を感じる
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