ひまわりが太陽を追いかけるのはなぜ?不思議な生態のまとめ

夏を象徴する花と言われたら、最初にイメージするのはやっぱりひまわりですよね。

太陽を象徴するともいわれ、黄色く大きい花は多くの人の目を惹きつけます。

ひまわりは現代のみならず、古代の人々にも愛されてきました。
例えば、古代インカ帝国で、太陽神のシンボルとして崇められてきました。

また、寒さの厳しい極東の国、ロシアの国花がひまわりなんですよ。 とても意外ですよね。

そんなひまわりにはひとつの不思議があります。それは、太陽の方角を向いてくるくる花が回るということ。聞いたことはあるけど、どうしてなのか知っていますか?

まるで意思をもって動いているかのようで、とても面白いですよね。

この記事では、なぜひまわりが太陽を追うのかを説明します。
ギリシャ神話にも関係し、この生態が名前の由来にもなっているんです。

ひまわりを見るのがもっと面白くなりますよ。

1章 ひまわりはなぜいつも太陽の方角を向いているの?

夏休みの自由研究などでひまわりの様子を観察した人もいますよね。

いつも太陽のほうを見ているひまわりを、不思議な気持ちで見ていた人も多いはず。実際に若いひまわりは蕾をつける頃まで、朝は東、正午は真上、夕方は西と太陽を追って動きます。

太陽に合わせてくるくる向きを変えるって面白いですよね。この動き、花が動いていると思っている人が多いようです。

でも、実はこのメカニズムに関係しているのは、花ではなく茎なんですよ。

ひまわりの茎にあるオーキシンという成長ホルモンは、太陽の光に大きく影響されます。

このオーキシンは光が当たらない側に多く集まり、濃度が高くなると茎が伸長成長します。

つまり、太陽の光が当たらない側の茎は、当たっている側の茎より伸びやすいということ。そして、光が当たっていない側の茎が伸長すると、自然にひまわりの花は太陽のある方角に曲がるのです。

このように太陽に合わせて花の向きを変えることで、成長期のひまわりは葉に効率よく太陽の光を浴びて栄養分を作ることができます。

太陽に向かって元気にグングンと伸びていくひまわりのイメージは成長ホルモンの作用だったのですね。

2章 太陽の方を向いていないひまわりもあるのはなぜ?

でも、太陽の方角を向いていないひまわりもありますよね。それはどうしてでしょうか?

前述の通り、太陽の方角を向くのは、まだひまわりが若い成長が盛んな時だけです。ですから、蕾が大きくなって開花する頃には成長が止まって茎が硬くなって動かなくなります。

完全に花が開いてしまえば、東か西を向いたまま動かなくなります。
若いひまわりは太陽を必死に追いかけているように見えますが、成熟したひまわりはドッシリと構えて動かないのです。

3章 ギリシャ神話に見る ひまわりが太陽を追いかける理由

ひまわりが太陽を追いかける由来となったとされるエピソードが、ギリシャ神話にあります。

かつて太陽神アポロンは、女神クリュティエを寵愛していました。

でも、アポロンは美しいペルシアの王女レウコトエに夢中になってしまい、クリュティエへの想いはすっかり冷めてしまいました。

突然のアポロンの心変わりに、クリュティエは激しく嫉妬します。まして相手のレウコトエは女神ではなく、ただの人間の女性。

クリュティエは「神である自分を差し置いて、人間の小娘が太陽神に愛されるだなんて!」と怒り狂います。

そして、レウコトエの父である王様に、レウコトエの悪い評判をでっちあげて「お前の娘はふしだらだ!」などとあることないことを吹き込みます。

厳格な王様はクリュティエのウソの告発を信じ込んでしまいました。
レウコトエに対して激高した王様は、娘レウコトエの言い訳も聞かぬまま大きな穴に彼女を生き埋めにしてしまったのです。

それを聞きつけたアポロンが驚いてレウコトエを助けようとしますが、彼女はもう息絶えていました。

うまく恋敵を抹殺したクリュティエですが、だからといってアポロンの心がクリュティエに戻ることはありませんでした。

最愛の人を死に至らしめたクリュティエを、アポロンが許すはずもありません。

愛するアポロンの愛も信頼も完全に失ってしまったクリュティエは、9日間天空を駆けるアポロンを涙とともに見つめ続けていました。

いつしかクリュティエの足は大地に根を張り、身体は茎となり、美しい顔はひまわりの花となったのです。

ひまわりが常に太陽の方向を見つめる理由は、クリュティエという女神のアポロンへの報われぬ苦しい恋心ゆえなのかもしれません。

そんなひまわりの花言葉は「私はあなただけを見つめる」。

この神話を聞くと、一層強いメッセージに感じられますね。

4章 「太陽の花」 ひまわりの名前の由来は?

ひまわりの名前も、やはり太陽を追うその様子が由来しています。

夏の太陽を思わせる元気いっぱいなひまわりは英語でSunflowerといいますよね。そう、「太陽の花」です。学名は「Helianthus annuus」で、語源はギリシャ語で、やはり「helios 太陽」と「 anthos 花」を意味します。

和名では「向日葵(ヒマワリ)」ですが、名前の由来は太陽の移動につれて太陽を追いかけるように花が向きを変えることからきています。この動きがひまわりの特徴といってもいいくらいですよね。

他にも「日輪草(ニチリンソウ)」、「日車草(ヒグルマソウ)」、「日回り草(ヒマワリソウ)」などの名前でも呼ばれています。

また、食糧用ひまわりの世界一の生産量を誇るロシアでは、ひまわりは「подсолнечник (パトソールニチニク)」と言ってやはり太陽という意味の言葉が含まれた呼び名なのです。

世界中で「太陽の花」と呼ばれるひまわりは太陽とは切っても切れない関係なのです。

5章 ひまわり以外に太陽の方角を向く花はあるの?

実は、太陽を追いかける花はひまわりだけではありません。

例えば、マリーゴールドも朝に花が咲くと太陽の方へと向き夕方に花を閉じます。
また、ダリアや百日草もそうです。

このように、光合成のために茎などが太陽光線の強い方へ向かって屈曲する性質を「向日性」といいます。

程度の差はありますが、多くの花は太陽の光に反応して向きを変えたり、開花したり閉じたりします。つまり「向日性」とはひまわり特有の性質ではないということです。

ひまわりはその動きがはっきりしているので、ひまわりだけにあるメカニズムだと誤解されていることもあるようですね。

6章 最後に

ひまわりと太陽の関係をまとめました。いかがでしたか?

ひまわりの太陽を追って咲その姿は、夏の風物詩でもあります。見ていると元気をもらえますよね。

また、ひまわりは神話にも登場し、さまざまな映画、絵画、音楽などのテーマとしても取り上げられてきました。長いこと人々に愛されてきたことがわかります。

明るさと情熱、そして強さを感じさせるひまわりの花は贈り物として喜ばれますし、元気いっぱいのビタミンカラーはお部屋のアクセントとしておすすめです。

少し元気のない時は、ひまわりから太陽のパワーを分けてもらいましょう。

提供・はな物語

こちらの記事は、プリザーブドフラワー専門店・はな物語の提供でお送りしました。

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ひまわりが太陽の方を向くメカニズムに関する情報集めの一助になれば幸いです。

元気に咲く花を見ていると、気持ちも明るくなりますよね。ぜひ、日常でもお部屋に花を飾って楽しんでみてください。

インテリアにもなる花として、美しい姿を長くとどめるプリザーブドフラワーもおすすめです。

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