自宅でできる!プリザーブドフラワーの作り方を紹介

こんにちは。プリザーブドフラワーのギフト通販専門店、「はな物語」店長の古河です。

趣味で草花の加工や、それらを使った小物づくりを楽しむ方は多くいらっしゃるでしょう。手作りの品を売る通販サイトを見ると、お店で売っているのと変わらないようなクオリティの高さに驚いてしまいます。

その中で、プリザーブドフラワーを自宅でつくる方も増えているようですね。私もプリザーブドフラワーを扱う者として、自分で試作することもあります。

率直に言って、市販されているものと同じクオリティのプリザーブドフラワーを作るのは至難の業です。仮に加工がうまくいっても、市販のものほど長く楽しめない、といった経験が私にもあります。

市販のプリザーブドフラワーは、それだけ特殊な技術と材料によって作り出され散ることを実感しました。

でも、自宅でプリザーブドフラワーを作ることには、完成度が高い・低いとは関係なく楽しみがあるものではないでしょうか。

プリザーブドフラワーは1度脱色した後、好きな色で着色します。ですので、オリジナリティのある花を作成することができるのも魅力の1つ。

この記事では自宅で作れるプリザーブドフラワーの作り方を紹介します。材料や工具は身近なお店でも購入できますよ。

ただし、市販と同じ仕上がりになるには、かなりの練習が必要です。でも、上達していく過程が体験できるのも手作りの楽しみの1つですよね。

ぜひ、プリザーブドフラワー作りを楽しんでみてくださいね。

1章 プリザーブドフラワーは手作りできる


プリザーブドフラワーは自宅で手作りすることができます。最近はプリザードフラワーを作るキットや、プリザードフラワー専用の加工液なども販売されています。不安がある、という人は加工キッドを使うのもいいですね。

また、最初は一気に何本も作るのではなく、試しに1~2本で作って調子をつかむのをおすすめします。

2章 必要なもの

2-1、花材

6~7咲きを選ぶ

プリザーブドフラワーの花材選び方の基本は、「鮮度」です。最適なのは6~7分咲きのもの。完全に開いているものはすぐに枯れてしまいますし、花びらが散りやすいので加工の途中でバラバラになってしまう可能性もあります。

ですので、まだ咲ききっていないものを選ぶのがベスト。

加工に向いている花

プリザーブドフラワーに加工できる花は何でもいいわけではありません。実はプリザードフラワーの加工に向いているお花、向いていないお花があります。

【プリザーブドフラワーの加工に向くお花】

プリザーブドフラワーに向いているお花の条件は、まず花びらが厚いこと。加工途中で液体に浸すため、薄い花びらでは破損してしまうことがあるためです。

そして、花びらがバラバラと散りにくい花を選ぶことも大切です。

  • バラ
  • カーネーション
  • ラン
  • アジサイ
  • ピンポンマム
  • アイビー
  • チューリップ
  • ガーベラ
  • ダリア
  • トルコキキョウ
  • ヒマワリ
  • スカビオサ

【プリザーブドフラワーの加工に向かないお花】

花びらの少ない、散り易いお花

枝もので花びらが少ない花や、散りやすいお花は加工途中で壊れてしまうため、向かないとされています。以下のようなお花にご注意下さい。

  • 菊(ピンポンマムのような、花弁のしっかりとした菊であれば問題ありません)
  • カサブランカ
  • コスモス
  • しゃくやく
  • 椿

花びらの薄いお花

花びらが薄いお花も加工途中で壊れやすくなります。

  • ハイビスカス
  • スイートピー
  • ラナンキュラス
  • アネモネ
  • グラジオラス
  • デルフィニューム

大きすぎるお花

大きすぎると、満遍なく液に浸す過程が難しくなり、個人で作るにはハードルがかなり高くなります。もしこれらの花材を選択するならば、小さ目のお花をチョイスしてみましょう。

  • 百合
  • ダリア
  • カラー
  • ひまわり

2-2、道具

花材が用意出来たら、次にプリザーブドフラワーの作成に必要な道具を揃えていきましょう。

  • はさみ

お花の下処理に使用します。

  • ピンセット

加工過程で壊れやすくなったお花を、慎重に扱う為に必須のアイテムです。

  • ゴム又はポリ手袋

アルコールを使用する為、手荒れなどから手を保護する目的があります。

  • アルミホイル

加工液を満遍なくお花に浸透させる際に役立ちます。

  • 蓋つきの容器・瓶など、しっかりと密閉出来るもの

アルコールの蒸発を防ぎ、仕上がりを綺麗にする為には必須です。

  • 新聞紙など

新聞紙など、作業に入る前にテーブルの上に敷き、液体によるテーブルの変色・色落ちを防ぎます。用意しておくと便利です。

2-3、材料

次に、加工に必要な材料を揃えましょう。

  • 消毒用エタノール

脱水・脱色の際に使用します。薬局で入手可能。

  • 精製グリセリン

本物に近いお花の質感をキープする為に必要な材料です。

  • 万年筆用のインク。又は100円均一で売っているプリンター用の補充インク

お花に色を着色する際に使用します。絵具はNGです。

  • 乾燥台 (卵の紙パック、網など)

エタノールに浸した花を乾燥させるための台です。

  • 乾燥材(シリカゲルなど)

乾燥スピードを上げ、作業の効率化に役立ちます。

2-4、花器

完成したプリザーブドフワラーを、長くきれいに保存する為には、花器が必要となります。様々なタイプの品が用意されていますが、「どうやって選んだら良いのか分からない」と言う人も多いはず。用途、目的別にチョイスしてみてはいかがでしょうか。

  • ストーン、陶器素材の小さくて可愛らしい花器

花器のイメージ次第で、大きく出来栄えが変わってきます。アレンジメントの目標とする全体的なサイズ、印象や、使用する花材、量、飾りたい場所を考慮して検討してみましょう。

花器の特徴に合わせて、以下のようなアレンジがしやすいと言われています。

  • 背の高い花器

縦のラインや、高さを強調したシャープでエレガントなデザインが多くあります。アイビーなどの蔓性の植物にも向いた花器です。

  • 背の低い花器

安定感がある為、どんな花材とも相性がよく、比較的デザインを作り易くなります。テーブルフラワーにしたい時などにお勧めです。

  • ナチュラル志向ならば、身近にあるものを利用する

バスケットやジャムの空き瓶など、花器ではない入れ物を代わりに使うとナチュラルな印象に仕上がります。

  • 長持ち重視ならば「フレームタイプ」の花器

ガラスで密閉する為、プリザーブドフラワーを外界の刺激から守ります。壁掛けできるので、どんな場所のインテリアにも万能なのが嬉しいポイント。

3章 基本の作り方 -最短4日バージョン-


初心者の方でも気軽・簡単に出来る、プリザーブドフラワーの作成方法とポイントを紹介します。

3-1、水切り(水揚げ)

茎を水に漬けた状態で、茎を2~3cm残してハサミで切ります。この時、キレのよいはさみで茎を潰さず、斜めに切るように心掛けてみましょう。

切ったら水にさして30分放置します。十分に水を吸わせ、お花を一番元気な状態にしてから、加工に取かかりましょう。

お花は「水分不足」となると、ぐったりと疲れたように花首が下がってきてしまいます。茎を正しくカットしてあげることで、お花の水を吸い上げる力をサポートし、生き生きとした状態に戻すことが可能となるのです。

また、プリザーブドフラワーの加工過程では、お花の水分を吸う力を利用します。そのため、「お花を加工前に元気に保つ事」が完成度の高いプリザードフラワーを作るには必須の作業と言えます。

3-2、脱水・脱色

最初に、お花の水分と色を抜きます。「自然のままの色が良いのに、なぜ脱水・脱色をしないといけないの?」と疑問に思うかもしれませんね。脱水、脱色するのはプリザーブドフラワーを長持ちさせるのに不可欠な工程なのです。

プリザーブドフラワーの特徴は、平均で1~2年もつことです。それに対し、生花は1週間程度で枯れてしまいます。お花に含まれるポリフェノール、セルロースが作用し、褐色になり、枯れるのです。

プリザーブドフラワーを作る際は、脱水と脱色の過程で、これらの物質を抽出するのです。これにより、プリザーブドフラワーは長い期間美しさをキープできる様になります。

①用意した容器に、お花と消毒用エタノール(メタノール)を入れ、お花を完全に浸します。

②容器を軽く振って空気抜きをします。

この時に、お花が浮いてきてしまう場合は、アルミホイルを被せてから蓋をしましょう。

③1日置きます。しっかりと蓋をしてエタノールの蒸発を防ぐことがポイントです。

お花の種類や大きさによっても脱色のスピードは異なります。様子を見ながら作業を進めましょう。

基本的に、色の濃いものほど脱色にも時間がかかります。ですので、薄い色のお花を選ぶと作業効率がアップしますよ。

3-3、着色

脱水と脱色が終わったお花に、次は着色をしていきます。この工程は、お花を着色し、生花の質感を保つための作業です。

グリセリンはいわば「保湿剤」。脱水したお花が、自分の力でグリセリンを吸い上げることで、元の水分とグリセリンが入れ替わって、生花のような質感のキープと、自然な鮮やかな色合いが可能となります。

①グリセリン:水を2:1にした液を作ります。

②お好みの着色料を、グリセリン液に数滴入れます。

③②の液を、電子レンジで35度位に温めましょう。このちょっとした工夫が、着色料の浸透性を高めてくれます。

④茎の部分を溶液に付けて、お花が自分の力で吸い上げるのを待ちます。そのまま日の当たらない場所で、1日置きましょう。

3-4、乾燥

花が染まったら、次は乾燥させます。

乾燥剤を入れた容器に、お花を置き、そのまま2日程おいておきましょう。花を上向きに置いてみてください。保存剤がしっかり中心部まで浸透します。

また、直射日光やエアコンなどの風が当たらないように注意してください。急いで乾燥させようと、ドライヤーの風を当ててしまうのもNG。花弁のひび割れ・欠けの原因となってしまいますよ。

4章 注意点


きれいなプリザーブドフラワーをつくるために、注意点を再確認しておきましょう。

4-1、加工できない花もある

2章の花材でも紹介しましたが、加工中の扱いが難しく、素材として向かないお花もあります。仮に完成しても、花びらが取れやすくなることも。加工しやすく、ダメージに強い花材を選ぶようにしてみたいですね。

4-2、イメージする色にならないこともある

お花の種類によっては、着色料を上手く吸い上げにくく、思ったような色が付かないケースもあります。

また、色がまばらになってしまうこともあります。原因としては、以下のことが考えられます。

  • 気密性の低い瓶で脱色していた
  • 液が満遍なく浸透していなかった
  • お花が大きすぎた

ただし、きれいに色付けしようと、花びらに直接色を付けることはNGです。

4-3、花びらが割れてしまう

鮮度の低いお花を使用したり、加工途中で花びらを傷めえたりしてしまうと、完成時にひび割れが目立ってしまう傾向にあります。

5章 材料を購入できるところ

プリザーブドフラワーの制作に必要な道具や材料は、今回ご紹介した方法であれば、薬局、100円均一、スーパーにて揃えることが出来ます。お花は、やはり新鮮なお花屋さんから購入するのが良いでしょう。

「自分で1から液を作るのは不安」「色合いを上手く出せなさそう」という不安のある人は、ネット通販で販売されている、「プリザーブドフラワー加工キット」を利用するのも手です。

本格的な「脱水・脱色液」、「着色液」のみのネット通販もあります。以前作ったときに、脱色が上手くいかなかったり、思い通りの色にならなかったりした場合は、そのようなセットに頼ってみてもいいかも知れませんね。

6章 手作りが難しいならプロのプリザーブドフラワーを贈ろう


プリザーブドフラワーづくりのポイントは、とにかく丁寧に扱うこと。生花はとても繊細です。ピンセットでつついたり、無理に花びらを引っ張ったりするのはやめましょう。

慣れてくると、いろんな色に着色したり、どの花を使うか選んだりするのも楽しくなってきますよ。

ただし、冒頭でもお伝えした通り、自宅でプリザーブドフラワーを作るのは、かなり難しいのも確かです。もしプリザーブドフラワーをプレゼントすることをお考えでしたら、購入されることをおすすめいたします。

「はな物語」では、贈り物用のプリザーブドフラワーを数多くご用意しています。カラーバリエーションとサイズが豊富なアレンジメントは、誕生日や結婚祝いの贈り物としてお客様から好評をいただいております。

また、プリザーブドフラワーはすべて手作りです。手作業で作られたプリザーブドフラワーは、色合い、アレンジメントのバランス、花の強度まですべて細かくチェックされています。

ご注文いただいた商品は、運搬の途中で壊れないよう1つ1つ丁寧に梱包しています。万が一、花びらが取れてしまった場合、「はな物語」では修理も行っています。

特別な日には、最高のプリザーブドフラワーを贈ってみてはいかがでしょうか。